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管理人御用達の珈琲。専門店に漂う煎れ立ての芳醇な香りを楽しみたい方へ。
11月2日付けの日経新聞朝刊「経済教室」に、中国投資の質の転換を勧める興味深い論文が掲載されていました。
最近中国では最低賃金の見直しを進めており、当コラムでも「同国を割安な労働市場と看做して製造移転戦略を取って来た企業は戦略の見直しが必要」と指摘しました(10/15のコラム参照)。
上記の論文は、そうした背景をもとに、「中国の環境汚染問題に解決を与えるような投資」を今後の具体的な転換戦略として示した内容です。
内容そのものには斬新さがあるとは言えませんが、中国出身の学者がこうした指摘をするところに意味があると思います。
以下に当論文を引用しておきますので、是非ご一読下さい。
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FC2 Blog Ranking[株式・投資]
最近中国では最低賃金の見直しを進めており、当コラムでも「同国を割安な労働市場と看做して製造移転戦略を取って来た企業は戦略の見直しが必要」と指摘しました(10/15のコラム参照)。
上記の論文は、そうした背景をもとに、「中国の環境汚染問題に解決を与えるような投資」を今後の具体的な転換戦略として示した内容です。
内容そのものには斬新さがあるとは言えませんが、中国出身の学者がこうした指摘をするところに意味があると思います。
以下に当論文を引用しておきますので、是非ご一読下さい。
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インドやベトナムなどへのシフトなどから、日本の対中直接投資は転機を迎えている。優位性を失った低コストを狙った労働集約型企業の進出にかわり、環境や省エネを軸とした技術集約型の企業には大きなチャンスかある。中国側の外資受け入れニーズとも合致する。
【国内との分業で大きな効果獲得】
日本企業は1960年代からの高度経済成長の中で積極的に海外直接投資を行い、海外現地事業を進めてきた。特に目立ったのは、労働集約的業種・工程をアジア地域などの発展途上国に移転させる動きだった。90年代以降、日本の直接投の中心は、生産拠点や潜在的な大市場を見越して中国へ傾斜してきた。2007年6月末までに日本の対中直接投資額(累計ペース)は700億ドとなっている。年間では、現在、対中直接投資額は60億弱と、日本の対外直接投資全体の1割強、対アジア直接投資の約4割を占めている。
だが06年に続き、07年上半期に対中直接投資の実行金額は前年同期比20%減と急減。契約件数ベースでも回11%減となった。いったん進出したものの撤退する企業も増えている。そのほとんどは、現地市場における競争激化に直面し現地事業の継続が困難になった家電や繊維などの業種の企業である。
対中投資の減少と撤退企業の増加は必ずしも原因が同じだとはいい切れないが、相関関係も否定できない。いずれにせよ投資姿勢の消極化の原因には、対中投資が一巡し、インド、ベトナムなど第三国へのシフトによるリスク分散など多岐にわたる要因かおるが、繊維や電機などの企業の「競争優位・企業優位性」が失われつつある部分も少なくない。多国籍企業研究の代表的な学者、スティーブン・ハイマーの企業優位説によると、企業が対外事業活動を行うのはその企業が被投資国の企業に対して保有する何らかの「企業優位」に基づくことが直接投資を行う側の必要条件である。 長い問、日本企業は中国に進出する場合、現地に対して圧倒的な優位性を保有していた。電機であろうと、繊維であろうと企業は地場産業に対して技術・設備、管理手法・ノウハウなどの優位性をもち、競争優位に立ってきた。日本企業は現地の安価なコストを狙うための労働集約型業種を中心とする進出により国内生産体制との分業・補完、すみ分けに大きな効果をもたらしてきた。
【多消費型経済構造変わらず】
ところが、家電、繊維などを中心にそうした従来の競争優位性が失われつつある。中国での家電メーカーシェアランキングで、上位の十位はほとんど地場企業で、日系企業の多くは中国メーカーとのシェア争いに敗れ下位に置かれている。携帯電話の市場シェアはほとんど米モトローラなど欧米系企業と現地の有力な大手地場企業が占め、日本勢のシェアは合計しても5%以下である。
一方で、技術集約度が高く、特に現地や欧米系企業に対し技術優位・強みがある業種・企業は、事業を拡大、成長している。例えば、特に燃費に優れた日本車は高いシェアを占め、上位にランクされている。06年の市場販売ランキングで第2位のトヨタなど日系自動車企業が、現地でハイブリッド車や低公害車の開発・生産に取り組むなど、中国での期待は高い。
二輪車事業でも、日本企業は低公古型の導入・強化に取り組んでいる。ホンダは昨年8月末、広州の合弁会社で、世界で最も厳しい排ガス基準とされる欧州の「ユーロ3」に対応したスクーター生産を中国で初めて開始した。環境規制強化の動きを先取りし、現地で競争優位に立ち価格競争に巻き込まれない収益モデルを構築している。
省エネ・環境分野に進出している日系企業も目を引く。例えば出光興産が04年に進出したクリーンコール事業は、09年に向けて投資を拡大。さらに事業を広げる計画だ。東芝も中国エネルギー事業に参入。,中国で火力発電所の建設ラッシュが続いているなか、発電所の運転・監視などにかかわる情報制御システムにも事業領域の拡大を図るため、今年7月60%出資して現地の独立系制御機器メーカーと合弁し、火力発電所向け情報制御システムの開発から製造、販売までの事業を展開し始めた。今後さらに発展するとみられる日本の省エネ・新エネルギー、環境技術、クリーン開発メカニズム(CDM)事業は、中国でも期待が高い。その背景には、進出先のニーズ・事情と進出側の日本の優位性の双方かおる。
投資の受け入れ側の中国は、エネルギー・燃料の安定的供給と環境保全の問題に直面している。中国の経済成長は重化学工業による資源・エネルギー多消費の成長パターンに依存し、エネルギー消費量が拡大、エネルギー消費原単位が大幅に上昇、環境汚染も著しい。その制約と高度経済成長との矛盾をどのように乗り越えるかは、経済の持続可能な発展のための必要不可欠な課題となる。このため、外資導入において、中国は省エネ・環境保全に貢献できる外国企業にインセンティブ(誘因)を与え、現地事業の発展を促している。
中国は省エネをエネルギー安全保障、経済発展、環境保全の基本政策として位置付けており、第11次五ヵ年計画では一定の国内総生産(GDP)をあげるのに必要なエネルギー消費を10年までに05年比で2割、汚染物質排出量を同1割削減するという目標を打ち出し、省エネ・再生可能エネルギー事業に取り組んでいる。
しかし、06年の中国のエネルギー消費量は石炭換算で前年比9.3%増の24.6億トンと、GDP当たりの省エネ目標(マイナス4%)に対し、実際にはわずか1.23%の削減にとどまった。これは主に資源・エネルギー多消費の産業およびそのエネルギー消費の非効率性によりもたらされたものである。
60年代以降の重厚長大型の高度経済成長の中で、エネルギー・資源多消費型の経済構造となった日本は、二度の石油ショックを経て、省エネ促進などでエネルギー需給慢心が大きく変化。さまざまな政策、技術面での多くの教訓、経験・ノウハウを蓄積した。
現在、日本の省エネ、環境保護の関連技術は国際的にもトップレベルにあり、エネルギー・GDP原単位で見たエネルギー消費効率は中国の8倍以上である。中国はこうした日本の省エネ・環境保護などエネルギー関連技術・ノウハウの対中移転や事業の対中展開に大きな期待を寄せている。
【モデル事業から各地へ本格展開】
中国は最近外資導入で業種選別を強化し、従来の労働集約型産業・工程を幅広く受け入れてきた政策を修正、見直しを進めている。半面、先進技術・資源・省エネ業種の対中進出は推奨されている。発電所の建設・運営、発電設備などの製造、バイプラインの建設・運営、石油加工、環境保全やクリーンコール、省エネ技術などが典型例だ。
中国の省エネ・新エネ・環境など関連の市場規模は、今後5年間で3000億ドルと見込まれ、日本企業にとっても大きな潜在性は魅力的だ。今後、中国の産業、外資政策および市場ニーズに応じ、対中国省エネなどのエネルギー関連分野の投資拡大が大きなビジネスチャンスにつながるだろう。
「世界の工場・市場」といわれる中国で、日系企業と地場企業、欧米などの企業との競争はさらに厳しくなる。日本企業と政府は、いくつかの都市で、中国との協力のもと、相手国のニーズに適応したクリーンコール、省エネモデル事業を推進し、かつて90年代大連で日中投資開発団地を設立したように、日中省エネ・環境事業開発団地を設立したり、省エネ・環境技術などの優位性を活用したりして、現地進出を進めるべきだ。こうしたモデル事業拠点を中国各地に広げるのである。
競争戦略論の第一人者のM・ポーター氏が強調するように競争優位を手にする企業は新しい市場ニーズまたは新しい技術の可能性を見つけるだけでなく、それを利用するために早期に、また最も積極的に行動する企業である。日本企業にとって、競争優位を手にするために酉エネ、再生可能エネルギー、環境保全などの分野に重きを置くことが極めて重要であり対中国直接投資・ビジネスの新たな転換点となる。
郭 四志 日本エネルギー経済研究所王任研究員
かく・しし 58年中国大連生まれ。大連外国語学院卒、法政大博士(経済学)。専門は国際経済
【国内との分業で大きな効果獲得】
日本企業は1960年代からの高度経済成長の中で積極的に海外直接投資を行い、海外現地事業を進めてきた。特に目立ったのは、労働集約的業種・工程をアジア地域などの発展途上国に移転させる動きだった。90年代以降、日本の直接投の中心は、生産拠点や潜在的な大市場を見越して中国へ傾斜してきた。2007年6月末までに日本の対中直接投資額(累計ペース)は700億ドとなっている。年間では、現在、対中直接投資額は60億弱と、日本の対外直接投資全体の1割強、対アジア直接投資の約4割を占めている。
だが06年に続き、07年上半期に対中直接投資の実行金額は前年同期比20%減と急減。契約件数ベースでも回11%減となった。いったん進出したものの撤退する企業も増えている。そのほとんどは、現地市場における競争激化に直面し現地事業の継続が困難になった家電や繊維などの業種の企業である。
対中投資の減少と撤退企業の増加は必ずしも原因が同じだとはいい切れないが、相関関係も否定できない。いずれにせよ投資姿勢の消極化の原因には、対中投資が一巡し、インド、ベトナムなど第三国へのシフトによるリスク分散など多岐にわたる要因かおるが、繊維や電機などの企業の「競争優位・企業優位性」が失われつつある部分も少なくない。多国籍企業研究の代表的な学者、スティーブン・ハイマーの企業優位説によると、企業が対外事業活動を行うのはその企業が被投資国の企業に対して保有する何らかの「企業優位」に基づくことが直接投資を行う側の必要条件である。 長い問、日本企業は中国に進出する場合、現地に対して圧倒的な優位性を保有していた。電機であろうと、繊維であろうと企業は地場産業に対して技術・設備、管理手法・ノウハウなどの優位性をもち、競争優位に立ってきた。日本企業は現地の安価なコストを狙うための労働集約型業種を中心とする進出により国内生産体制との分業・補完、すみ分けに大きな効果をもたらしてきた。
【多消費型経済構造変わらず】
ところが、家電、繊維などを中心にそうした従来の競争優位性が失われつつある。中国での家電メーカーシェアランキングで、上位の十位はほとんど地場企業で、日系企業の多くは中国メーカーとのシェア争いに敗れ下位に置かれている。携帯電話の市場シェアはほとんど米モトローラなど欧米系企業と現地の有力な大手地場企業が占め、日本勢のシェアは合計しても5%以下である。
一方で、技術集約度が高く、特に現地や欧米系企業に対し技術優位・強みがある業種・企業は、事業を拡大、成長している。例えば、特に燃費に優れた日本車は高いシェアを占め、上位にランクされている。06年の市場販売ランキングで第2位のトヨタなど日系自動車企業が、現地でハイブリッド車や低公害車の開発・生産に取り組むなど、中国での期待は高い。
二輪車事業でも、日本企業は低公古型の導入・強化に取り組んでいる。ホンダは昨年8月末、広州の合弁会社で、世界で最も厳しい排ガス基準とされる欧州の「ユーロ3」に対応したスクーター生産を中国で初めて開始した。環境規制強化の動きを先取りし、現地で競争優位に立ち価格競争に巻き込まれない収益モデルを構築している。
省エネ・環境分野に進出している日系企業も目を引く。例えば出光興産が04年に進出したクリーンコール事業は、09年に向けて投資を拡大。さらに事業を広げる計画だ。東芝も中国エネルギー事業に参入。,中国で火力発電所の建設ラッシュが続いているなか、発電所の運転・監視などにかかわる情報制御システムにも事業領域の拡大を図るため、今年7月60%出資して現地の独立系制御機器メーカーと合弁し、火力発電所向け情報制御システムの開発から製造、販売までの事業を展開し始めた。今後さらに発展するとみられる日本の省エネ・新エネルギー、環境技術、クリーン開発メカニズム(CDM)事業は、中国でも期待が高い。その背景には、進出先のニーズ・事情と進出側の日本の優位性の双方かおる。
投資の受け入れ側の中国は、エネルギー・燃料の安定的供給と環境保全の問題に直面している。中国の経済成長は重化学工業による資源・エネルギー多消費の成長パターンに依存し、エネルギー消費量が拡大、エネルギー消費原単位が大幅に上昇、環境汚染も著しい。その制約と高度経済成長との矛盾をどのように乗り越えるかは、経済の持続可能な発展のための必要不可欠な課題となる。このため、外資導入において、中国は省エネ・環境保全に貢献できる外国企業にインセンティブ(誘因)を与え、現地事業の発展を促している。
中国は省エネをエネルギー安全保障、経済発展、環境保全の基本政策として位置付けており、第11次五ヵ年計画では一定の国内総生産(GDP)をあげるのに必要なエネルギー消費を10年までに05年比で2割、汚染物質排出量を同1割削減するという目標を打ち出し、省エネ・再生可能エネルギー事業に取り組んでいる。
しかし、06年の中国のエネルギー消費量は石炭換算で前年比9.3%増の24.6億トンと、GDP当たりの省エネ目標(マイナス4%)に対し、実際にはわずか1.23%の削減にとどまった。これは主に資源・エネルギー多消費の産業およびそのエネルギー消費の非効率性によりもたらされたものである。
60年代以降の重厚長大型の高度経済成長の中で、エネルギー・資源多消費型の経済構造となった日本は、二度の石油ショックを経て、省エネ促進などでエネルギー需給慢心が大きく変化。さまざまな政策、技術面での多くの教訓、経験・ノウハウを蓄積した。
現在、日本の省エネ、環境保護の関連技術は国際的にもトップレベルにあり、エネルギー・GDP原単位で見たエネルギー消費効率は中国の8倍以上である。中国はこうした日本の省エネ・環境保護などエネルギー関連技術・ノウハウの対中移転や事業の対中展開に大きな期待を寄せている。
【モデル事業から各地へ本格展開】
中国は最近外資導入で業種選別を強化し、従来の労働集約型産業・工程を幅広く受け入れてきた政策を修正、見直しを進めている。半面、先進技術・資源・省エネ業種の対中進出は推奨されている。発電所の建設・運営、発電設備などの製造、バイプラインの建設・運営、石油加工、環境保全やクリーンコール、省エネ技術などが典型例だ。
中国の省エネ・新エネ・環境など関連の市場規模は、今後5年間で3000億ドルと見込まれ、日本企業にとっても大きな潜在性は魅力的だ。今後、中国の産業、外資政策および市場ニーズに応じ、対中国省エネなどのエネルギー関連分野の投資拡大が大きなビジネスチャンスにつながるだろう。
「世界の工場・市場」といわれる中国で、日系企業と地場企業、欧米などの企業との競争はさらに厳しくなる。日本企業と政府は、いくつかの都市で、中国との協力のもと、相手国のニーズに適応したクリーンコール、省エネモデル事業を推進し、かつて90年代大連で日中投資開発団地を設立したように、日中省エネ・環境事業開発団地を設立したり、省エネ・環境技術などの優位性を活用したりして、現地進出を進めるべきだ。こうしたモデル事業拠点を中国各地に広げるのである。
競争戦略論の第一人者のM・ポーター氏が強調するように競争優位を手にする企業は新しい市場ニーズまたは新しい技術の可能性を見つけるだけでなく、それを利用するために早期に、また最も積極的に行動する企業である。日本企業にとって、競争優位を手にするために酉エネ、再生可能エネルギー、環境保全などの分野に重きを置くことが極めて重要であり対中国直接投資・ビジネスの新たな転換点となる。
郭 四志 日本エネルギー経済研究所王任研究員
かく・しし 58年中国大連生まれ。大連外国語学院卒、法政大博士(経済学)。専門は国際経済
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